高齢者とコミュニケーションをとる際、年齢や身体状況、価値観などさまざまな点を考慮して接することがポイントです。これは日常生活場だけでなく介護の仕事をするときにも活かせるスキルなので、覚えておいて損はありません。高齢になると身体のあらゆる部分の機能に衰えが見えるようになります。
代表的な症状のひとつが聴覚の衰えで、声や音を聞き取りにくくなる症状が目立つようになります。そのため、高齢者と会話をする際には、意識的にはっきりと喋ることが大切です。大声を出せばいいというわけではなく、怒鳴り声に聞こえないように笑顔で接することもコツです。
そして、耳が聞こえづらい様子でも言葉遣いを崩さないように丁寧な言葉で接しましょう。特に介護の仕事をしている場合は、親しみを込めてフランクな言葉遣いをしてしまう人もいますが、望ましくありません。介護サービスを受ける利用者と介護職員は友人同士ではないため、敬語を使うことが最低限のマナーといえます。利用者は介護職より年上であることがほとんどです。尊厳を傷つけず、敬う気持ちを持って接するようにしましょう。
また、若者の間で流行っている略語も、高齢者に対して使うのは禁物です。「軽トラ」や「コンビニ」のように、一般社会に浸透していて高齢者も分かりそうな略語は構いません。若者の間で流行しているような、ネットスラングや特殊な言葉が対象です。このような若者特有の略語は友人同士で使うのは問題ありませんが高齢者は混乱してしまうので、使わないように気をつけましょう。このように、常に高齢者サイドに立った接し方が望まれます。